言葉は、今も生きて更新されている|『生きる言葉』読書感想

著者:俵万智
出版社:新潮社


📚 妄想書店より

この本は「国語の棚」ではなく、
“生き方の棚”に置きたい一冊だ。
言葉の正しさを教える本ではなく、
言葉とどう付き合い続けるかを見せてくれるから。


📚 読んだきっかけ

俵万智さんが、言葉についてどんな思いで書いているのか知りたかった。
『サラダ記念日』を書いた人は、
その後の時代を、どんな距離感で生き、どんな言葉を選び続けてきたのか。
それを少し覗いてみたくなった。


📝 どこに何を感じたか?

まず面白かったのは、
俵万智さんが「どんな人か」が伝わってきたことだ。

子育て、ラップ、SNS、短歌、大河ドラマ。
どれも別々の話題なのに、
すべてが「言葉」という一本の線でつながっている。

子どもは自然の中で遊ばせたかった、
自分たちで考えて、作って、遊ぶ時間を持たせたかった、
という話には強く共感した。

短歌の歌人がラップに興味を持ち、
「韻を踏む」ことを真剣に考えている。
その視点は、なかなか他では聞けない。

また、言葉のプロである俵万智さん自身が、
SNSでは苦戦している、というエピソードも印象に残った。
言葉を扱う仕事をしていても、
SNSの時代はやはり難しい。

若い世代の言葉に違和感を覚え、
上の世代が使い方をしぶる。
それはいつの時代も繰り返されてきた、という話には納得した。

自分も、気づけば「しぶる側」になっている。
だからこそ、新しい言葉や感覚を受け入れる柔軟さを持ちたいと感じた。


📖 どんな本だった?誰かに伝えるなら

言葉に興味が持てる本。
そして、作者その人に興味が湧く本。

短歌の話を読んでいると、
「自分なら、どんな歌を詠むだろう」と、
自然と考えてしまう。

歌人の目線で語られる歴史や大河ドラマの話も新鮮で、
平安時代の世界を、少し勉強してみたくなった。


🌱 自分に何をもたらしてくれた?

俵万智さんは、
言葉を「完成させた人」ではなく、
今も更新し続けている人なのだと感じた。

だからこそ、技術論よりも、
まずは自分の中に生まれた感情をすくい取ること。
それを言葉にし続けることの大切さが伝わってくる。

言葉のプロでも、迷い、悩み、試し続けている。
その姿が見えたことで、
自分も「今の言葉」で歩いていいのだと思えた。

この本をきっかけに、
自分なりの言葉の道を探し続けたいと思った。


👤 こんな人におすすめ

言葉が好きな人。
書くことや、伝えることに興味がある人。
そして、「自分の言葉」で生きたいと思っている人。


🪶 妄想書店コメント

言葉は完成しない。
だから、生きている。


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