――誰かの真意は、最後までわからない。だからこそ、人はつながっていく。
出版社 : PHP研究所

妄想書店より
妄想書店の“つながりの棚”に置きたい一冊。 別々の人生を描きながら、どこかで一本の糸のようにつながっていく物語。 人と人のあいだにある“見えない想い”が、静かに光を放つような連作短編集です。
読んだきっかけ
妻が勧めてくれたこと、本屋大賞ノミネート作品で気になっていたこと、 そして同じ作者の『ただいま神様当番』を読んでいた流れで、 「きっとこの作品も心に残る」と思って手に取りました。
どこに何を感じたか?
短編連作のように、それぞれの物語が別の角度から描かれながら、 どこかで一本の線につながっていく構成がとても面白かったです。 「王子とは何者なのか」「人魚が逃げたとはどういう意味なのか」 その謎を追うように後半は一気読み。 ミステリーではないけれど、“真実を知りたい”気持ちにさせられました。 物語は、相手の真意を完全には理解できない世界の中で進んでいきます。 演じる側と見る側、それぞれの視点が違うからこそ、人生は複雑で面白い。
第4章「夢は静か」が特に好きで、作家・日下部伸次郎の悩みに共感しました。 妻が楽しそうにしていること、それだけが答えだと気づく瞬間―― そこに深い救いと、人生の優しさを感じました。
どんな本だった?誰かに伝えるなら
人生に希望を見出す背中を、そっと押してくれる本。 誰かの想いを完全に理解することはできないけれど、 それでも人は誰かを思い、つながっていく。 そんな温かなメッセージが、物語全体に流れています。 今の自分の物語も、きっとまだ途中。 伏線回収はこれから始まるのだと思えるような一冊です。
自分に何をもたらしてくれた?
「自分が思うほど、人生は悲観的なことばかりじゃない」と教えてくれました。 相手の考えも、自分の未来も、まだ見えていないだけ。 そんな余白を残してくれたことで、少しだけ心が軽くなりました。 人との違いを受け入れる勇気をくれる本です。
こんな人におすすめ
人間関係に悩んでいる人、 「わかり合えないこと」も大切にしたいと思っている人におすすめです。
妄想書店コメント
人は誰かを完全には理解できない。 それでも、互いに想う気持ちがどこかで重なり合う瞬間がある。 この本は、その“奇跡のような偶然”を信じたくなる物語でした。
次に読むなら
- 『赤と青とエスキース』──芸術と記憶が交差する青山美智子の代表作
- 『木曜日にはココアを』──日常の中の小さな奇跡を描いた心温まる短編集
- 『ただいま神様当番』──同じ作者の笑えて泣けるエンタメ小説


