#7 「お客様のために」が苦手なあなたへ。

…カウンター拭きながら、ふと考えてたんだけどね。
社会に出ると、よく聞くじゃない?

「お給料は誰からもらっているのか?」
「それは会社じゃなくて、お客様からだ」
「だから、お客様のために仕事をしなさい」

…まぁ、言ってることは分かるんだよ。
道理としては、正しいんだろうね。

でもさ、私はこの話、どうも苦手でねぇ。

理屈はわかる。でも、心が動かないんだ。

「お客様のために頑張れる」って人は、きっとすごく素直で、強い人なんだと思う。
でも私はどうも…そこで燃えないんだよね。

どちらかというと、目の前の難題を片付けるとか、
忙しい状況をどう乗り切るかとか、
そういうことでスイッチが入るタイプで。

「お客様のために」と言われても、どうもエンジンがかからない。
そのたびに、
「ああ、自分は社会人としてダメなのか?」
「不適合者なのかな?」
なんて、ひとりで勝手に落ち込んでしまったりね。

でも、思うんだ。これも“ひとつの働き方”だって。

お客様のため…と言われて動けない自分を責めてたけど、
よく考えたら、そんなに立派な気持ちじゃなくても、真面目に仕事をしていれば、結果的にお客様には届くんだよね。

「誰かのために」という気持ちは薄くても、
「やるべきことはやる」
それで十分じゃないか、と最近は思えるようになってきた。

そういう働き方をする人間だって、いるんだよ。
ここにも、ほら、ひとり。

同じようにモヤモヤしている人へ。

お客様のために…でモチベーションが上がらないからって、
それだけで職場を辞めてしまう必要はないと思うんだ。

あなたのようなタイプの働き方も、ちゃんと存在していて、
組織はそういう人に支えられている部分だってある。

もし、こういう苦手意識のせいで「自分はダメだ」と思ってるなら、
それは、全然違うよ。
あなたが思ってるより、ずっと普通。ずっと自然。

ここに、ひとり仲間がいます。

だからね、もし同じように悩んでいる人がいたら。
今日はこの店に寄って、ひと休みしていけばいい。

「お客様のために」という言葉に燃えなくても、
「やるべきことをやって生きてる」あなたは、充分立派だから。

自分を責めなくていい。
世の中は、ひとつの価値観だけで回ってるわけじゃない。

ここにも同じタイプがいるよ。
ひとりじゃないよ。

ほら、コーヒー淹れたよ。
ちょっと座って、肩の力を抜いていきな。